「実家を相続したが、いくらで売れるのか見当がつかない」「不動産屋に安く買い叩かれないか不安」……空き家の売却を考えたとき、真っ先に気になるのはやはり「お金」のことではないでしょうか。
実は、空き家の売却相場は、通常の住宅売却とは異なる「独自のルール」で決まることが多いのです。築年数による建物の評価額や、リフォーム・解体費用の有無、そして「仲介」か「買取」かという売却方法の違いによって、手元に残る金額は数百万円単位で変わってきます。
この記事では、誰でも簡単にできる相場の調べ方から、空き家特有の「価格が下がる要因」、そして適正価格で売却するための戦略まで、プロの視点で分かりやすく解説します。
「いくらで売れる?」空き家売却の相場が決まる2つの基準
空き家を売る方法は、大きく分けて「仲介(ちゅうかい)」と「買取(かいとり)」の2種類があります。どちらを選ぶかで、相場(売れる金額)の目安はガラリと変わります。
【仲介相場】市場価格で売れるが時間はかかる(目安:周辺相場通り)
不動産会社に買い手を探してもらう方法です。
- 相場目安: 周辺の似たような物件の市場価格(相場通り)
- メリット: 高く売れる可能性がある。
- デメリット: 買い手が見つかるまで数ヶ月〜1年以上かかることも。売れるまでは維持管理が必要。
【買取相場】即現金化できるが価格は下がる(目安:市場価格の5〜8割)
不動産会社が直接あなたの空き家を買い取る方法です。
- 相場目安: 市場価格の50%〜80%程度
- 理由: 業者は買い取った後、リフォームや解体をして再販するため、その費用や利益分があらかじめ差し引かれます。
- メリット: 最短数日で現金化できる。契約不適合責任(売却後の不具合への責任)が免除されることが多い。
あなたの家はどっち?築年数とエリアで見る売却方法の選び方
- 「築浅(築20年以内)」「立地が良い」 → 仲介で高く売るのがおすすめ。
- 「築古(築30年以上)」「建物がボロボロ」「遠方で管理できない」 → 買取で早く手放すのが現実的。
スマホで5分!空き家の売却相場を自分で調べる3つのステップ
不動産会社に査定を依頼する前に、自分で大まかな相場を知っておくと、「安く買い叩かれる」リスクを防げます。
ステップ1:SUUMOやアットホームで「近隣の売り出し物件」を見る
まずはポータルサイトで、自分の家と同じエリア(町名まで絞る)、同じくらいの広さ、築年数の物件がいくらで売りに出されているかチェックします。これが「現在のライバル価格」です。
ステップ2:国交省「土地総合情報システム」で「実際の成約価格」を確認する
売り出し価格はあくまで「希望価格」であり、値引きされて成約することも多いです。実際に売れた価格を知るには、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」を使います。「不動産取引価格情報検索」から、エリアを指定して過去の取引事例を見ることができます。
ステップ3:固定資産税評価額から「およその土地値」を逆算する
毎年届く「固定資産税納税通知書」を見てください。土地の「評価額」を0.7で割る(評価額 ÷ 0.7)と、おおよその市場価格(実勢価格)に近い数字が出ると言われています(※あくまで簡易的な目安であり、実際の取引価格を保証するものではありません)。
【要注意】空き家の査定額が想定より安くなってしまう「5つの原因」
「思っていたより安い査定額が出た……」とショックを受ける前に、空き家ならではの減額要因を知っておきましょう。
原因1:木造は「築22年」で建物価値がゼロ評価に!?
不動産評価の世界(特に税法上の耐用年数)では、木造住宅の耐用年数は22年とされています。そのため、築22年を超えた空き家は、建物には価値がつかず、「土地代のみ」の評価になることが一般的です(維持状態が良ければプラス評価されることもありますが、大幅なプラスは稀です)。
原因2:解体費用(100万〜200万)が最初から差し引かれている
建物が古く、そのままでは住めないと判断された場合、買い手は「土地」として買いたいと考えます。その場合、解体更地にするための費用(一般的な木造30坪で150万円〜200万円前後)を、あらかじめ土地の価格から差し引いて査定額が出されることが一般的です。
相場を知って賢く売る!査定結果が出た後の判断マニュアル
査定額が出揃ったら、いよいよ決断の時です。
- 高い査定額に飛びつかない: 他社より極端に高い査定額を出す会社は、契約を取りたいだけで、後から「売れないので値下げしましょう」と言ってくる可能性があります。「なぜこの金額なのか?」という根拠を必ず聞きましょう。
- 「現状渡し」と「更地渡し」の比較: 自分で解体してから売るのと、現状のまま安く売るのと、どちらが手元に残るお金(利益)が多いか、諸費用を含めてシミュレーションしましょう。
まとめ:相場把握は売却成功の第一歩!まずは現状を知ることから
空き家の相場は、エリアや状態によって千差万別です。「0円かもしれない」と諦める前に、まずは自分で調べ、そして複数のプロに査定してもらうことで、本当の価値が見えてきます。納得のいく価格で次の代にバトンを渡せるよう、まずは情報収集から始めてみましょう。


