空き家売却期間は平均3ヶ月!半年以上売れない原因と早期売却の鉄則

vacant_house_sale_period 空き家売却の知識

相続した実家などの空き家を売却しようと考えたとき、最も気になるのは「いつ売れるのか」という期間の目安ではないでしょうか。

維持費や管理の手間を考えると、できるだけ早く手放したいと願うのは当然のことです。しかし、焦るあまり安値で売却してしまったり、逆に売り出し価格が高すぎていつまでも売れ残ったりするケースは後を絶ちません。
空き家の売却期間は、物件の条件だけでなく、売り出し価格や依頼する不動産会社の力量によっても大きく変動します。

この記事では、空き家売却にかかる一般的な期間や、長引いてしまう原因、そして少しでも早く、かつ適正価格で売却するための具体的な戦略について詳しく解説していきます。

空き家売却にかかる期間の目安と最短での現金化

空き家の売却を検討し始めた際、最初に把握しておくべきなのは一般的な売却期間の目安です。

この期間を知ることで、資金計画や相続手続きのスケジュールを立てやすくなります。
また、売却方法によっても現金化までのスパンは大きく異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

一般的には3ヶ月から半年が売却期間の目安

不動産市場において、空き家を含む中古住宅が売り出されてから成約に至るまでの平均的な期間は、およそ3ヶ月から6ヶ月と言われています。
これは、以下の3つのステップを含んだ期間です。

  1. 売却準備期間(1ヶ月程度): 不動産会社の選定、査定、媒介契約の締結、必要書類の準備など。
  2. 売却活動期間(1~3ヶ月程度): レインズへの登録、ポータルサイトへの掲載、内覧対応、購入申込みなど。
  3. 契約・引き渡し期間(1~2ヶ月程度): 売買契約の締結、住宅ローン審査(買主)、決済、引き渡しなど。

特に、買主が住宅ローンを利用する場合、審査に時間がかかるため、売買契約から引き渡しまでに1ヶ月以上を要することが一般的です。
したがって、売り出し開始から手元に現金が入るまでには、スムーズに進んでも3ヶ月以上はかかると見込んでおいた方が良いでしょう。

条件が良い物件と悪い物件の売れるまでの期間差

「平均3ヶ月」というのはあくまで目安であり、実際の売却期間は物件の条件によって大きく左右されます。
以下の表は、売りやすい物件と売りにくい物件の特徴を比較したものです。

特徴 売りやすい物件(3ヶ月以内) 売りにくい物件(半年以上)
立地 駅から徒歩10分以内、人気の学区 駅から徒歩20分以上、過疎地域
築年数 築浅(築20年以内)、新耐震基準 築古(築30年以上)、旧耐震基準
建物状態 リフォーム済み、メンテナンス良好 雨漏りあり、シロアリ被害、未修繕
道路付け 接道状況が良い、駐車しやすい 再建築不可、接道義務を満たしていない
価格設定 相場通りかそれ以下 相場より明らかに高い

立地が良く築浅の物件であれば、売り出しから1ヶ月以内に購入申し込みが入ることも珍しくありません。
一方で、駅から遠く老朽化が進んでいる物件や、再建築不可などの法的制限がある物件は、買い手が見つかるまでに1年以上かかることもあります。
ご自身の空き家がどの条件に当てはまるかを客観的に評価し、長期戦を覚悟すべきかどうかの見通しを立てておきましょう。

不動産買取なら最短1週間で現金化が可能

「とにかく早く処分したい」「時間をかけたくない」という場合は、不動産会社による「買取」を選択肢に入れることをおすすめします。
仲介売却が「一般の個人」を探すのに対し、買取は「不動産会社」が直接買い取るため、以下のようなメリットがあります。

  • 買主を探す期間が不要: すぐに売買契約に進めます。
  • 契約不適合責任が免責される: 売却後のクレームにおびえる必要がありません。
  • プライバシーが守られる: 近所に知られずに売却可能です。

買取の場合、早ければ数日~1週間程度で現金化することも可能です。
ただし、売却価格は市場相場の6~8割程度に安くなる傾向があります。
「期間の短縮」をとるか、「価格の追求」をとるか、ご自身の優先順位に合わせて選択しましょう。

空き家の売却期間が長期化する際の3つの共通点

半年以上経っても空き家が売れない場合、そこには必ず何らかの原因が存在します。
ここでは、売却期間が長期化してしまう代表的な3つの原因について解説します。
原因を特定し、適切な対策を講じることが早期売却への近道です。

市場環境や物件の個別要因もありますが、売主側の判断ミスが原因であることも少なくありません。

市場相場とかけ離れた高値での売り出し

最も多い原因は、売り出し価格の設定ミスです。
売主としては「少しでも高く売りたい」という心理が働きますが、買主はシビアに価格を比較検討しています。

例えば、近隣の類似物件が1,000万円で売り出されているのに、1,300万円で設定してしまうと、問い合わせすら入らない状況に陥ります。
特に売り出し直後の1ヶ月間は「新規物件」として注目度が最も高い時期です。
この時期に高すぎる価格設定をしてしまうと、見込み客を逃し、その後値下げをしても「売れ残り物件」というネガティブなイメージがついてしまうリスクがあります。

建物の老朽化や境界未確定など物件固有の問題

空き家特有の問題として、建物の状態や権利関係の複雑さが挙げられます。

  • 建物の老朽化: 雨漏りや設備の故障などは、買主にとって大きなマイナスポイントです。「リフォーム費用がいくらかかるかわからない」という不安は、購入意欲を大きく減退させます。
  • 境界未確定: 古い物件では、隣地との境界杭がなかったり、境界線が曖昧だったりすることが多々あります。境界が確定していない土地は、トラブルのリスクがあるため、敬遠される傾向にあります。引渡しまでに測量を完了させる必要がありますが、隣地所有者の協力が得られないと時間がかかり、結果として売却期間が延びることになります。

これらの問題を放置したまま売りに出しても、なかなか成約には至りません。
事前にインスペクション(建物状況調査)を行ったり、土地家屋調査士に相談して測量を行ったりするなど、物件の懸念事項を解消しておくことが重要です。

囲い込みなど不動産会社の営業力不足

物件や価格に問題がないのに売れない場合、依頼している不動産会社に原因がある可能性を疑う必要があります。
大手だからといって必ずしも安心できるとは限りません。

問題となるのが「囲い込み」という悪質な手口です。
これは、売却依頼を受けた不動産会社が、両手仲介(売主と買主の両方から仲介手数料をもらうこと)を狙って、他の不動産会社からの客付けを意図的にブロックする行為です。
囲い込みをされると、物件情報が広く拡散されず、限られた範囲でしか買主を探せなくなるため、当然売却期間は長引きます。

また、単に営業担当者の熱意不足や、広告活動(写真の撮り方やアピール文)が下手であるケースも考えられます。
定期的な活動報告の内容をチェックし、不信感があれば担当者の変更や不動産会社の切り替えを検討すべきです。

スムーズに売却するための流れと期間ごとのタスク

売却活動を効率的に進めるためには、全体の流れを把握し、各フェーズで適切に行動することが求められます。
ここでは、一般的な3ヶ月での売却を目指す場合のスケジュールとタスクを整理しました。

【1ヶ月目】査定依頼から媒介契約の締結まで

売却活動のスタートダッシュを決める重要な期間です。

  • 1~2週目: 複数の不動産会社に査定を依頼(机上査定・訪問査定)
  • 3週目: 査定結果の比較検討、依頼する不動産会社の選定
  • 4週目: 媒介契約の締結、必要書類の提出、売り出し価格の決定

この時期に特に時間をかけるべきは、不動産会社の選定です。
査定額の高さだけで選ぶのではなく、担当者の対応や提案力、空き家売却の実績を重視してください。
また、必要書類(権利証、固定資産税納税通知書、測量図など)を早めに準備しておくことで、手続きがスムーズに進みます。

【2~3ヶ月目】売却活動と内覧対応のポイント

実際に物件が市場に出回り、購入検討者からの反応がある時期です。

  • 販売活動: インターネット広告、チラシ配布、オープンハウスなど
  • 内覧対応: 土日祝日を中心に購入希望者が物件を見学
  • 条件交渉: 価格や引渡し時期などの調整

この期間に最も重要なのは、内覧時の対応です。
空き家であっても、定期的に通風・換気を行い、最低限の掃除をしておくことで、内覧者に良い印象を与えることができます。
また、購入希望者からの質問(修繕履歴や近隣トラブルの有無など)には、誠実に回答することが信頼に繋がります。

【4ヶ月目以降】価格見直しや条件変更の決断

3ヶ月経っても成約に至らない場合、戦略の見直しが必要です。
一般的に、媒介契約の期間は3ヶ月で設定されることが多いため、更新のタイミングでもあります。

  • 価格の見直し: 反響状況を見て、段階的な値下げを検討する
  • 条件の変更: 「現況渡し」から「更地渡し」への変更を検討する
  • 不動産会社の変更: 活動内容に不満がある場合は、別の会社に切り替える

ただ漠然と待ち続けるのではなく、フィードバックを元に柔軟に条件を変えていく決断力が求められます。
特に価格に関しては、売り出しから3ヶ月が「損切り」を考えるひとつの節目と言えるでしょう。

空き家の売却期間を劇的に短縮するプロの戦略

漫然と売りに出しているだけでは、競合物件の中に埋もれてしまいます。
ここでは、プロの視点から、売却期間を短縮するための具体的な戦略を4つ紹介します。
少しの手間と工夫で、買主へのアピール度を大幅に上げることができます。

専任媒介契約で不動産会社を味方につける

媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。
早期売却を目指すなら、「専任媒介」または「専属専任媒介」がおすすめです。

契約種類 特徴 メリット デメリット
一般媒介 複数の会社に依頼可能 競争原理が働く 報告義務がなく、放置されやすい
専任媒介 1社のみに依頼 積極的な販売活動が期待できる 囲い込みのリスクがある

専任系の契約であれば、不動産会社は「確実に自社の売上になる」ため、広告費をかけたり優先的に営業したりと、販売活動に力を入れてくれます。
また、定期的な業務報告が義務付けられているため、売主としても進捗状況を把握しやすいというメリットがあります。

ポータルサイト掲載写真と紹介文で差別化を図る

今の時代、家探しはスマホでポータルサイトを見ることから始まります。
つまり、写真の第一印象がすべてと言っても過言ではありません。

  • 明るい写真を使う: 天気の良い日に撮影し、暗い部屋は照明をつける。
  • 広角レンズで撮影: 部屋を広く見せる工夫をする。
  • 生活感を消す: 残置物がある場合は、できるだけ片付けてから撮影する。
  • 紹介文を工夫する: 「日当たり良好」「リフォーム履歴あり」など、具体的なメリットを記載する。

不動産会社任せにせず、「もっと明るい写真を使ってほしい」「キッチンの写真を追加してほしい」など、売主から要望を出すことも大切です。

インスペクション実施で買主の不安を払拭する

空き家購入者の最大の懸念は「見えない欠陥」です。
そこで、第三者の専門家による建物状況調査(ホームインスペクション)を実施し、その結果を開示することで、買主の不安を取り除くことができます。

「検査済みの安心な物件」としてアピールできれば、他の競合物件との差別化になり、購入決断の後押しとなります。
費用は5万~10万円程度かかりますが、売却後のトラブル防止にもなるため、コストパフォーマンスは高いと言えます。

草刈りや換気で内覧時の第一印象をアップさせる

写真で興味を持ってもらえても、実際に現地を訪れた時の印象が悪ければ台無しです。
特に空き家は管理が行き届いていないと、荒れた印象を与えてしまいます。

  • 庭の草刈り: 庭木が伸び放題だと、外観が悪くなるだけでなく、虫の発生原因にもなります。
  • 室内の換気: 空き家独特のこもった臭いやカビ臭さは、内覧者に強烈な悪印象を与えます。内覧前には必ず全ての窓を開けて換気しましょう。
  • 簡易清掃: 玄関や水回りに埃が溜まらないように掃き掃除をしておきます。

ご自身で対応が難しい場合は、シルバー人材センターや空き家管理サービスを利用してでも、最低限の清潔感を保つように心がけてください。

【重要】「3,000万円特別控除」の期限を意識する

早く売却することをおすすめする最大の理由の一つに、税制優遇があります。
相続した空き家を耐震リフォームするか更地にして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」という制度があります。

この特例を受けるためには、「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する」という期限があります。
この期限を過ぎてしまうと、数百万円単位で税金が高くなる可能性があります。
「期間」を考える上では、この期限も必ず念頭に置いて計画を立てるようにしてください。

どうしても売れない場合に検討すべき選択肢

あらゆる手を尽くしても売れない場合、そのまま放置し続けるのはリスクがあります。
固定資産税の負担や、特定空き家に指定されるリスクを避けるためにも、最終的な出口戦略を検討しましょう。

一般的な売却が難しい場合の3つの手段を紹介します。

業者買取で手間なくスピーディーに処分する

前述した通り、買取は価格こそ下がりますが、確実かつ早期に手放すことができる最強の手段です。
特に築古でリフォーム費用が莫大にかかる物件や、室内に大量の荷物が残っている物件などは、仲介では敬遠されがちですが、買取なら現状のままで引き受けてくれるケースが多いです。
いつ売れるかわからないストレスから解放されたい方にとっては、精神的なメリットも大きいでしょう。

更地渡し条件付き売り地として再販する

建物が古すぎて価値がない場合、いっそ「古家付き土地」としてではなく、解体を前提とした「更地渡し」で売り出す方法もあります。
買主にとっては、「解体費用がかからない」「すぐに新築工事に着手できる」というメリットがあります。

  • 解体費用の負担: 売主が解体費用を負担します。
  • 契約条件: 「契約が決まってから解体する」という特約をつければ、万が一売れなかった場合のリスクを回避できます。

土地としての需要がある地域であれば、この方法で一気に買い手がつく可能性があります。

空き家バンクを活用して広範囲にアピールする

自治体が運営する「空き家バンク」に登録するのも一つの手段です。
民間の不動産サイトでは扱いにくい、条件の悪い物件や田舎の物件でも掲載可能です。

  • 利用料: 無料で利用できます。
  • ターゲット: 移住希望者や田舎暮らしに興味がある層にアピールできます。
  • 補助金: 自治体によっては、改修費用や家財処分費用の補助金が出る場合もあります。

対応のスピード感は民間に劣る場合もありますが、広く可能性を探る意味では有効な選択肢です。

信頼できる不動産会社を見極めるための質問リスト

最後に、空き家売却の成功を左右する最大の要因である「不動産会社選び」についてです。
「大手だから安心」「家から近いから」という理由だけで選ぶのは危険です。
担当者の実力を見極めるために、査定時や面談時に以下の質問を投げかけてみてください。

  1. 「このエリアでの空き家売却の実績は直近でどれくらいありますか?」
    • 具体的な事例(売却期間や価格)を即答できるか確認します。
  2. 「なぜこの査定額になったのですか?根拠となるデータを見せてください」
    • 近隣の成約事例や公示地価など、客観的なデータに基づいているかチェックします。
  3. 「売却するために、具体的にどのような販売戦略を立ててくれますか?」
    • 「レインズに載せます」だけでなく、ターゲット層の想定や広告媒体の選定など、能動的な提案があるかを見ます。
  4. 「物件の良い点だけでなく、悪い点(デメリット)も教えてくれますか?」
    • 都合の悪いことを隠さず、リスクも含めて説明してくれる誠実な担当者を選びましょう。

これらの質問に対して、明確かつ丁寧に答えてくれる担当者であれば、信頼できるパートナーと言えるでしょう。
空き家の売却は長期戦になることもあります。だからこそ、二人三脚で歩んでいける信頼できるプロを見つけることが、納得のいく売却への第一歩です。

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