相続した実家が空き家になったまま、どう処分すべきか悩んでいませんか。固定資産税の負担や建物の老朽化など、空き家を持ち続けるリスクは年々高まっています。しかし、いざ売却しようと思っても「古い家がいくらで売れるのか」「何から手をつければいいのか」と不安を感じる方は少なくありません。
本記事では、空き家売却の第一歩となる「査定」を成功させるためのポイントを徹底解説します。相場の把握から2024年最新の税制改正、不動産会社選びまで、損をしないための全知識を分かりやすくお届けします。
放っておくと損をする!空き家の査定額が急落する3つの真実
「まだ急いで売らなくても大丈夫だろう」という考えは、空き家においては非常に危険です。空き家は放置すればするほど、その資産価値が驚くべきスピードで減少していきます。ここでは、査定額が急落する具体的な要因を3つ紹介します。
放置された建物は2年で価値がゼロになる!?老朽化のスピードと査定への影響
人が住んでいない家は、驚くほど早く傷みます。窓を閉め切ったままの状態が続くと、湿気がこもり、カビや木材の腐敗が急速に進むからです。
特に日本のような高温多湿な国では、わずか1~2年放置しただけで、修繕なしには住めないレベルまで劣化することも珍しくありません。不動産査定では「建物の状態」が厳しくチェックされます。管理されていない空き家は「建物価値ゼロ」どころか、解体費用を差し引いてマイナス査定になることさえあります。
固定資産税が最大6倍に!「管理不全空家」新設による増税リスク
2023年の法改正により、新たに「管理不全空家」という区分が設けられました。これは「特定空家」の一歩手前の段階で、管理が不十分とみなされると指定されます。
指定後に自治体から改善勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減措置が解除され、税額が最大で6倍(実質的には4倍程度になるケースが多い)に膨れ上がる可能性があります。このリスクを避けるためにも、増税が具体化する前に早期に査定を行い、売却の基準を決めておくことが重要です。
シロアリや雨漏りの放置が査定額に与える壊滅的なダメージ
空き家の査定時に最も査定額を押し下げる要因が、構造部分の損傷です。特に雨漏りやシロアリ被害は、建物の寿命を致命的に縮めます。
これらが発見されると、買主側は多額のリフォーム費用を見込むため、査定額は大幅に減額されます。被害が拡大する前に査定を受け、現状を正しく把握することが、手元に残るお金を最大化する鍵となります。
賢い空き家所有者が選ぶ「机上査定」と「訪問査定」の使い分け術
不動産査定には、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。状況に合わせてこれらを使い分けることが、ストレスなく売却を進めるポイントです。
以下の表に、それぞれの特徴と推奨されるシチュエーションをまとめました。
次に、具体的な査定方法の比較表を掲載します。
| 項目 | 机上査定(簡易査定) | 訪問査定(実地査定) |
|---|---|---|
| 調査方法 | 周辺の取引事例やデータで算出 | 実際に現地を訪問し詳細を確認 |
| 所要時間 | 数時間〜1日程度 | 現地調査1時間 + 書面作成数日 |
| 精度 | おおよその目安(±10%程度の差) | 高い(売出価格の決定版) |
| 匿名性 | 可能なサイトも多い | 不可 |
| こんな人におすすめ | まずは相場を知りたい初期段階の人 | 本格的に売却を検討し始めた人 |
この表からわかる通り、検討の段階に応じてステップアップしていくのが一般的です。
まずは概算を知りたい!匿名で複数の会社を比較できる机上査定の活用法
売却を考え始めたばかりなら、まずは「机上査定」から始めましょう。物件の所在地、築年数、面積などの情報を入力するだけで、過去の周辺取引データをもとに概算の査定額を算出してくれます。
一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社の回答を同時に得られるため、「自分の家がいくらくらいで売れるのか」という相場観を養うのに最適です。
正確な売却額を知るための訪問査定でプロがチェックする意外なポイント
売却を決意したら、次は「訪問査定」です。不動産会社の担当者が現地を訪れ、建物の傷み具合、リフォームの必要性、日当たり、近隣環境などを詳しく調査します。
ここで意外と重視されるのが、「庭の手入れの状態」や「残置物の量」です。一見、価格に関係なさそうですが、これらは買主が受ける印象を左右するため、査定額に微妙な影響を及ぼします。
空き家特有の「境界未確定」や「越境」が査定に響く理由
地方や古い住宅地にある空き家の場合、査定時に「隣地との境界」が問題になることが多々あります。
境界が曖昧な物件はトラブルを懸念する買主から敬遠されるため、査定額が伸び悩みます。また、庭の木が隣の敷地にはみ出している(越境)などの状況も、査定報告書にマイナス要因として記載されることがあります。
査定額だけで選ぶのは危険!空き家売却に強い不動産会社の見極め方
査定を依頼すると、会社によって数百万単位で査定額が変わることがあります。しかし、「一番高い金額を出した会社=良い会社」とは限りません。
2024年の要件緩和!「相続空き家の3000万円控除」に詳しいかチェック
空き家を売却する際、一定要件を満たせば「相続空き家の3000万円特別控除」を受けられます。
2024年以降、買主が耐震改修や解体を行う場合でも適用可能になるなど要件が緩和されました(期限は2027年末まで)。こうした最新の税制改正を熟知し、売却スケジュールに盛り込んだ提案をしてくれる会社を選びましょう。最新情報を知らない会社を選ぶと、節税チャンスを逃す可能性があります。
解体・遺品整理・ゴミ処分までワンストップで提案できる提案力の差
空き家売却には、家の中に残された荷物の片付けや、古い家を壊して更地にするかどうかの判断が欠かせません。
空き家に強い会社は、地域の遺品整理業者や解体業者と提携しており、「片付け費用を査定額から差し引いた実質の手取り額」までシミュレーションしてくれます。単に「売れる金額」だけでなく、売却完了までのトータルサポートができる会社を選びましょう。
査定額の根拠を数値と事例で説明してくれるか
「根拠不明な高値」をつける業者には要注意です。媒介契約を結びたいために、あえて不可能な高値を提示する「おとり査定」を行う不誠実な業者も存在するからです。
良い担当者は、以下のような客観的なデータを示してくれます。
- 直近3ヶ月以内の周辺成約事例
- 現在売り出し中の競合物件の価格
- 物件固有のプラス・マイナス評価の詳細
このような具体的な根拠があるかどうかを、査定報告を受ける際の判断基準にしてください。
知らないと大損!空き家査定の前に最低限知っておくべき税金と特例
売却査定を受けた後、最終的に手元に残る金額(手取り額)を左右するのは「税金」です。空き家売却には特有のルールがあります。
譲渡所得を抑える特例の基本条件
3000万円特例を利用するには、以下の基本条件を満たす必要があります。
- 昭和56年5月31日以前に建築された物件(旧耐震基準)であること
- 売却代金が1億円以下であること
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
なお、相続人が3人以上いる場合は一人あたりの控除額が2000万円に制限される点は注意が必要です。
建物付で売るか更地にして売るか!査定額から逆算する損益分岐点
査定時に「建物付(現状)」と「更地(解体後)」の2パターンの査定額を出してもらうことをおすすめします。
解体には100万〜200万円程度の費用がかかりますが、自治体によっては「空き家解体費用の補助金」が出るケースもあります。補助金を含めた最終的な利益がどちらが多いか、査定額をもとに計算することが大切です。
空き家査定でよくあるトラブルと後悔しないための防衛策
最後に、空き家の査定・売却においてよくある失敗例と、その対策をまとめました。
これらが失敗を未然に防ぐための重要なチェックポイントとなります。
- 「高預かり」に騙されない: 契約だけ取って後から大幅な値下げを要求されるパターンに注意。
- 内密に査定を進める: 近隣に知られたくない場合は、看板を出さないなどの配慮を依頼する。
- 現状のままで査定に出す: 焦ってリフォームや解体をしても、費用以上の査定アップにならないケースが多い。
最も重要なのは、最初から1社に絞らず、必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼することです。複数の視点からアドバイスを受けることで、あなたの空き家に最適な売却方法が見えてくるはずです。後悔のない売却の第一歩として、まずは一括査定サイトなどを通じて、一回、概算の数字を確認してみましょう。


